ライクだと言うと自分の心に嘘をつくことになる。
 ライクじゃないと言うとラブだと伝えることになるかもしれない。

 顔色を窺っているような不思議な顔で覗き込まれる美利はつい口走ってしまった。

「ライクだったら、そんなこと確認しないよ…」

 顔が火照るのが分かる。

「ライクじゃなくて、嫌いじゃないってことは…ラブってことか」

 その智樹の言葉を聞いて、ポテトをつまんでいた手が止まった。


「なんだ、俺たち両思いだったんじゃん」

 あっさりと返事を返してきた。


 手が固まった美利は顔を上げて智樹を見る、そしてそのままの体制で動けなくなった。
 顔が赤い。


「くーって鈍感なんだな、知らなかった」

 そういってケラケラと笑う。

 美利が鈍感なのは人一倍知っているはずだ。



「俺はくーが好きだよ」


 そう言って最後のハンバーガーを口に含んで美利に向かってほほ笑んだ。