「初詣行こうよ。ずっとここに居たから体が冷えちゃった。ねー竜」

 竜と手を繋いで歩き出す美利と、それについて歩く三人。

「よし、俺が奢ってやる」

 竜の言葉に後ろの三人が喜び勇んだ。

「フライドポテト食いたい」
「寒いからな、うどんあったら食いたいな」

 口々に食べたいものを言い出した和巳と琢己に竜が反論する。

「俺が奢るって言ったのはくぅに奢るって意味だよ! お前たちにごちそうなんかしない」

「でも、お前の説得に俺たち寒空の下で待ってた」
「お前だけくーと手を繋いでる」

 文句を言う二人に『あーもうわかったよ』とあきらめたように叫んだ。

「一つだけだからな!」

 美利はとても充実している。