袋の中にはさらに小さい箱が入っている。

「当日込み合うと思うから」
「あ、ブレスレットだ」

 話を聞きながら開けた箱の中には三種類のビーズがついたブレスレット。
 そのまま左手首につけてみた。

「安物だけど」

 智樹はそう言ったが美利の左手で夕暮れの光を集めるブレスレットはとてもよく輝いて見えた。

 すごく嬉しかった。

「そろそろ帰らないと暗くなる。それに本当に風邪引くぞ、ほら立て」

 智樹が立ちあがり美利にも立ち上がるように左腕を掴んで引き上げる。

 美利は小さな箱と袋をカバンの中にしまい込み立ち上がった。

「玄関にカバン置きっぱなしにしてるから玄関に寄ってから帰ろうぜ」

 カバンを背負いながら智樹の後ろを付いて歩く。