カバンを枕にして寝転がり、頭の下に手を入れ目を閉じる。
青々とした葉は見る影もなく茶色く枯れた葉を何枚かたなびかせているだけだ。
風でゆっくりと形を壊されながら雲が流れていく。
冷たい風を浴びて思考も低下。
何も考えない時間を過ごし流石に寒いからと起き上がろうとした時、枯葉を踏みしめる足音が遠くから近付いてきた。
目を開けるとわずか数分で空の色が大人しくなっていた。
「居た」
智樹の声がする。
寝転がっている美利を見下ろす彼の手には小さな袋があった。
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