あれから二ヵ月程が経っていた。
 竜、和巳、琢己。
 三人が美利のことを好きだったことが偶然にも分かってしまってから二ヵ月程。

 その間の美利は一人だけなんとなく緊張した毎日を過ごしていた。

 三人にどう接すればいいのか。

 そう思いながらも、五人の関係を絶対に崩したくないと言う強い思いもあった。

 美利は四人とも好きだ。
 その差はほぼ無いと言ってもいい。

 実際五人の関係が崩れたのは翌日くらいでそのあとからは元通り楽しくやっている。

 それでも一日中ぼーっとすごして授業が身に入らずに鐘の音で我に返るという習慣がついてしまっている。


 もうすぐ十一月も終わり。
 期末テストの時期が迫ってきていた。


 学生の期間なんてあっという間だ。


 そんな言葉をどこかで聞いたことがある。
 教室に掛けてあるカレンダーを見て正しくそれを実感している。