「もう知ってると思ってた…」

 顔を真っ赤にして口元を手で押さえる竜。

「え、だって今までのは全部冗談っていうか…

 あれ? 冗談じゃ……ない…?」

 美利は火照る身体を冷ますようにおでこに手の平を当てる。

ずっと立っていた和巳は座り込んで頭を抱え込んでいる。

「気付いてないって言ったじゃん。

 俺完全に巻き添え食らったよ…」


「絶対に知ってると思ってたから…」

 両手で顔を覆った琢己は天を仰いだ。