「何がって、もうめちゃくちゃ噂になって広がってるから言うけどさ、
 俺ら三人ともくーのことが好きなんだから竜をずるいと思ってんの。
 竜はじゃんけん強いんだよ。

 くーだってあちこちから聞いてるんだろ?」

 そんな琢己の言葉に首をかしげる。



 『僕のことが好き?』



 入学してから約半年弱。

 その間の記憶を手繰り寄せて精いっぱい思考を巡らせる。


「琢己……、くーが固まったぞ。もしかして…やっぱり知られていなかったんじゃないか?」

 和巳の口調が焦っている。

「今回の件で再認識しただろうけど、くーは鈍感だぞ」

 智樹の一言で地雷が爆発した。

 固まっていた体をより固める美利。