「よし、それで最終的なきっかけってなんだったっけ」



少しだけ口元を緩ませて智樹は質問の続きをする。

「だから、最終的なきっかけは……、え?」

 少しの違和感を覚えた美利。

「なんだったっけ?って、その言い方…」

「あ」

 言い方間違えた、と智樹は呟いてニカッと笑う。


「うそ、いつ?」

 鼻の奥がツンとする。
 目の奥が潤んで来るのが分かる。

「ライクの好きでしょ? くらいにぼやっと…」

 そう言って智樹は視線をそらしている。
 顔はずっと赤いままだ。