「その……ライクの好きでしょ?って確認したら、僕の方はどうなんだ?って聞いてきたのは智樹じゃないか…」
智樹の手を握りながら徐々にうつむく美利の顔は真っ赤になっている。
「俺ってなんだかズルいな…」
そう言って苦笑いしている智樹の顔も赤くなっている。
「それで、僕が鈍感なのを知っているくせに、『鈍感なんだな』って笑ったんだよ」
智樹は右手で顔を覆って何やら恥ずかしさを隠そうとしている。
「ちょっと待って、ちょっとストップ」
智樹は手で顔を覆ったまま美利が話を続けるのを止めた。
繋いでいた手をはなして近くに置いてあったペットボトルから水分を補給する。
改めて手を繋ぎ直すと姿勢を正してベッドに座り直す。