「じゃあさ、付き合うきっかけになったのって何? 和巳も琢己も知らないって言ってたんだよね」
「そんなこと聞くの?」
思わず声が上ずった。
「智樹が…智樹がきっかけを作ったんだよ」
当時のことを思い出したのか美利は少し顔を赤らめる。
智樹は続きを求めるように美利の顔をじっと見つめている。
「だから…その…。
智樹が僕のことを……
す、好きだよって言ってきたんだよ…」
え? と呟いて智樹の顔も一気に赤くなる。
「それで…くーがオッケーして付き合うことになったとか?」
「いや、その、そうでもなくて…」
どうしてこんなことを説明しているのかと美利は若干混乱し始めている。