「……智樹が目を覚ました。 俺は今から病院に行くけど二人も来るか?」 美利はしっかりと竜を見つめて『行く』と返事をした。 「竜、智樹の病室は何階?」 エレベーターに乗り込みながら美利が竜に質問する。 「三階。下りたら右側」 意識が戻ったことについては喜ばしい限りだが竜の顔は浮かばない。 「竜、和巳はなんて言っていたの」 美利と琢己は病院に来るまでの間も何度か竜に質問をしていた。 しかし竜は何も話さなかった。