「ごめんね、来夢」


そう言いながら上目遣いでうっすら涙を浮かべる椎那は、本当の天使だと思う。


「んーん、椎那が花蓮に取られるのが嫌だなーって思っただけ。」



そう言って椎那の頭を撫でる来夢と彼女は、本当にラブラブだと思う。




「さぁ、行こっ!」


3人で車に乗り込むと、3人とも同じ制服を着ているのが目に止まり、頬が緩む。

ほんのりクリーム色の混ざった、白色のブレザーは頭がいいことを主張しているようで幾分も得意気になれる。



「3人で受かれて良かったね!!」


「うん、ほんと!」



返事をしてからすぐに来夢との2人の甘々な雰囲気に入っていくのを見ながら、窓に目を向ける。




山を少し出たところにある道路の脇には桜の木が何本も立っていて、入学を祝福されているような気持ちになる。