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「お父さん、私、なにかスポーツをしてみたいの」
それはクルミにとって勇気のいる一言だった。
夕飯を食べていた父親は料理から視線を外さずに「授業でしているだろう」と、返事をした。
「そうじゃなくて、部活動とかで。テニスとかいいなって思っているんだけれど」
おずおずと話すクルミに対し、父親は表情も変えない。
母親へ視線を向けると、すぐにそらされてしまった。
「そんなことよりも勉強だ。運動は勉強の気分転換にやればいい」
「でも、それじゃ部活動には参加できないじゃない」
そういってみても父親はもう話は終わりだとばかりに会話を止めてしまった。
クルミの胸にはわだかまりだけが残る。
「勉強だって体力を使うことだから、同じことよ」
母親は今の会話にさして興味なさそうな声でそう言ったのだった。
「お父さん、私、なにかスポーツをしてみたいの」
それはクルミにとって勇気のいる一言だった。
夕飯を食べていた父親は料理から視線を外さずに「授業でしているだろう」と、返事をした。
「そうじゃなくて、部活動とかで。テニスとかいいなって思っているんだけれど」
おずおずと話すクルミに対し、父親は表情も変えない。
母親へ視線を向けると、すぐにそらされてしまった。
「そんなことよりも勉強だ。運動は勉強の気分転換にやればいい」
「でも、それじゃ部活動には参加できないじゃない」
そういってみても父親はもう話は終わりだとばかりに会話を止めてしまった。
クルミの胸にはわだかまりだけが残る。
「勉強だって体力を使うことだから、同じことよ」
母親は今の会話にさして興味なさそうな声でそう言ったのだった。