「ああ、あ、あ、すごーい。」
「やばいこれ楽しいっ。」
「今日一番の盛り上がりですねっ。」
ふわりひらりと舞い落ちる10個のパラシュートをはしゃぎながら追い掛けた。
「遠くまで飛んでないかな?ゴミになるから全部拾わないと。」
「わかりました。」
周辺を歩き、飛んでいったパラシュートを回収した。
「1、2、3・・・。あれ?9しかないですね。」
「ほんとだね。もう一回探しに行こう。」
そして二人で残りの一つを回収する為に、同じ場所も含めて歩いて回った。
「あ、あった。」
水樹が10個目のパラシュートを見つけ、それをそのまましゃがんで拾い上げた。
「えっ?」
「えっ?」
立ち上がった水樹の手のひらに載せられたパラシュートには、たった今祭りで売られていたおもちゃの指輪がぶら下がっていた。
「これ、さっきの夜店の・・・。どうして・・・。」
それは、パラシュートを拾うふりをして、明人がぶら下げておいたものだった。
「今日の俺から、あの頃の意地っ張りの水樹少年に届きますように。」
「えっ・・・。」
また見つめ合った。
「貸して。」
そしてなんとなくその指輪を水樹の薬指にはめようとした。
「あ、入らない。」
「あっ、すみません私骨太で。でもおもちゃだから先が開くと思います。」
十分細長いのに、そんな事気にする所は女の子なんだなっと明人は面白く、それから指輪を広げて水樹にはめて再び外した。
「これはあの頃の水樹君へのプレゼントだから俺が預かる。」
当然意味がわからずに水樹は不思議顔をし、そして残しておいた線香花火に火をつけた。
パチパチパチ・・・。小さなこの音はこの状況に陥った明人を意味深に追い詰め、そして最後の1本になる頃には、二人共何も話せなくなっていた。
苦しい・・・。愛しいのも苦しいのも面倒臭くて全部してこなかったから、明人はこの続きの事を知らない。
ごめんね立花さん・・・。と募ればもう明人は切なくてたまらなかった。
消えかけの線香花火の音なんて聞こえるわけがない。明人の心臓の音の方が大きくて・・・。
ポトッ。
花火の先の玉が落ち、世界がもう少しだけ闇になり・・・。
それから明人は、水樹に吸い寄せられるままにキスをした。
「やばいこれ楽しいっ。」
「今日一番の盛り上がりですねっ。」
ふわりひらりと舞い落ちる10個のパラシュートをはしゃぎながら追い掛けた。
「遠くまで飛んでないかな?ゴミになるから全部拾わないと。」
「わかりました。」
周辺を歩き、飛んでいったパラシュートを回収した。
「1、2、3・・・。あれ?9しかないですね。」
「ほんとだね。もう一回探しに行こう。」
そして二人で残りの一つを回収する為に、同じ場所も含めて歩いて回った。
「あ、あった。」
水樹が10個目のパラシュートを見つけ、それをそのまましゃがんで拾い上げた。
「えっ?」
「えっ?」
立ち上がった水樹の手のひらに載せられたパラシュートには、たった今祭りで売られていたおもちゃの指輪がぶら下がっていた。
「これ、さっきの夜店の・・・。どうして・・・。」
それは、パラシュートを拾うふりをして、明人がぶら下げておいたものだった。
「今日の俺から、あの頃の意地っ張りの水樹少年に届きますように。」
「えっ・・・。」
また見つめ合った。
「貸して。」
そしてなんとなくその指輪を水樹の薬指にはめようとした。
「あ、入らない。」
「あっ、すみません私骨太で。でもおもちゃだから先が開くと思います。」
十分細長いのに、そんな事気にする所は女の子なんだなっと明人は面白く、それから指輪を広げて水樹にはめて再び外した。
「これはあの頃の水樹君へのプレゼントだから俺が預かる。」
当然意味がわからずに水樹は不思議顔をし、そして残しておいた線香花火に火をつけた。
パチパチパチ・・・。小さなこの音はこの状況に陥った明人を意味深に追い詰め、そして最後の1本になる頃には、二人共何も話せなくなっていた。
苦しい・・・。愛しいのも苦しいのも面倒臭くて全部してこなかったから、明人はこの続きの事を知らない。
ごめんね立花さん・・・。と募ればもう明人は切なくてたまらなかった。
消えかけの線香花火の音なんて聞こえるわけがない。明人の心臓の音の方が大きくて・・・。
ポトッ。
花火の先の玉が落ち、世界がもう少しだけ闇になり・・・。
それから明人は、水樹に吸い寄せられるままにキスをした。