そのまま4月も終わり、ゴールデンウィークに突入した。勇利にとっても例外なく多忙な毎日を送らざるを得ず、授業、実験、レポートや課題、それから卒研に受験勉強更にはクラブまで抱えていた。
だからとにかく今は受験が終われば何かするんだとそれを励みに頑張っていた。そしてもし今自分に彼女なんかいたら、精神的に崩壊したかもしれないな、と要領の良い勇利は冷静だった。何より、あの器用で頭の良い聖也でさえも全部の両立は断念し、つまりは聖也と水樹があの頃別れた理由も今の自分なら理解できるのだった。
ただ今日はそんな堅い事は抜きで、聖也がゴールデンウィークに伴い帰省したので久しぶりに一緒にハンドボールをした。久々の聖也はかっこよくて熱くて憧れの人のままだった。そしてその夕方、駅近くの焼肉店に集まると、あるテーブルには勇利、瞬介、聖也、水樹が揃ったのだった。
「お疲れーい。」
と聖也のみゴクゴクと美味しそうに喉を鳴らしてビールジョッキの半分を一気に流し込んだ。
「ぷぅー!あー、めっちゃ楽しかったわー。やっぱハンドボール最高。」
「聖也君現役の俺らよりキレキレでしたもんね。化けモンです。」
「お前らへぼすぎ。いつ全国行って俺らの雪辱晴らしてくれんだよ。俺はよー、あの時の悔しさでまだ夢見ちゃうからね。」
「今年は無いかも。だって俺が5年だもん。」
「自分で言うなって。確かに勇利やばいよね。お前のピークは完全に3年の頃だった。」
聖也がいると会話が盛り上がってスパイシーで花が咲き、その懐かしいノリに一同笑顔になる。
「京都の話聞かせて下さいよ!」
「たくしょうがねぇなあ。なんかさあ、女の子の関西弁がたまんなくてさあ。わかる?おとおふ食べるぅ?みたいなの!超やばくない?」
「あー。わかるわー。」
「よし。水樹君。ちょっと言ってみたまえ。」
「はい。おとぅふたべるう?ですか。」
「ちゃうちゃう。おとおふ食べるぅ?やから。」
「おとぅふたべるぅ?ですか。」
「ちがーう。」
聖也の酷いエセ関西弁と、それに一体何のプレイを見せつけられているのかわけのわからないこの滑稽さに皆で大笑いした。そして勇利は笑いながら、この二人はまじで凄いな、と感心した。
以前恋人同士だったはずの水樹と聖也は今ではすっかり完全にただの先輩後輩に戻りきっている。見る限りでは二人が昔付き合っていた事実なんて片鱗もなく、なんなら自分の記憶違いなのかとすら思える程の始末で、だから交際の事実を知る勇利も一度たりとも今まで二人について口外する事はなかった。
だからとにかく今は受験が終われば何かするんだとそれを励みに頑張っていた。そしてもし今自分に彼女なんかいたら、精神的に崩壊したかもしれないな、と要領の良い勇利は冷静だった。何より、あの器用で頭の良い聖也でさえも全部の両立は断念し、つまりは聖也と水樹があの頃別れた理由も今の自分なら理解できるのだった。
ただ今日はそんな堅い事は抜きで、聖也がゴールデンウィークに伴い帰省したので久しぶりに一緒にハンドボールをした。久々の聖也はかっこよくて熱くて憧れの人のままだった。そしてその夕方、駅近くの焼肉店に集まると、あるテーブルには勇利、瞬介、聖也、水樹が揃ったのだった。
「お疲れーい。」
と聖也のみゴクゴクと美味しそうに喉を鳴らしてビールジョッキの半分を一気に流し込んだ。
「ぷぅー!あー、めっちゃ楽しかったわー。やっぱハンドボール最高。」
「聖也君現役の俺らよりキレキレでしたもんね。化けモンです。」
「お前らへぼすぎ。いつ全国行って俺らの雪辱晴らしてくれんだよ。俺はよー、あの時の悔しさでまだ夢見ちゃうからね。」
「今年は無いかも。だって俺が5年だもん。」
「自分で言うなって。確かに勇利やばいよね。お前のピークは完全に3年の頃だった。」
聖也がいると会話が盛り上がってスパイシーで花が咲き、その懐かしいノリに一同笑顔になる。
「京都の話聞かせて下さいよ!」
「たくしょうがねぇなあ。なんかさあ、女の子の関西弁がたまんなくてさあ。わかる?おとおふ食べるぅ?みたいなの!超やばくない?」
「あー。わかるわー。」
「よし。水樹君。ちょっと言ってみたまえ。」
「はい。おとぅふたべるう?ですか。」
「ちゃうちゃう。おとおふ食べるぅ?やから。」
「おとぅふたべるぅ?ですか。」
「ちがーう。」
聖也の酷いエセ関西弁と、それに一体何のプレイを見せつけられているのかわけのわからないこの滑稽さに皆で大笑いした。そして勇利は笑いながら、この二人はまじで凄いな、と感心した。
以前恋人同士だったはずの水樹と聖也は今ではすっかり完全にただの先輩後輩に戻りきっている。見る限りでは二人が昔付き合っていた事実なんて片鱗もなく、なんなら自分の記憶違いなのかとすら思える程の始末で、だから交際の事実を知る勇利も一度たりとも今まで二人について口外する事はなかった。