家から、一人の老婆が出てきた。
老婆は全身黒い服を着ている。だが、その服装はこの国で見たことのないような形をした服だった。腕の部分はぶかぶかで、腰辺りに布をぐるりと巻き付けている。
白髪に黒っぽい瞳をした老婆は、ライオンに近づいて行く。
ライオンは老婆を見ると、唸るのをやめてその場でしゃがみ込む。
「この子は顔見知りじゃないと、食べるから気をつけたほうがいい」
「…食べるって?」
クリストファーが尋ねると、老婆はにっと不敵に笑った。
老婆に案内されて中へ入る。
クリスは随分と殺風景な家だなと思った。
家具が極端になかった。
ダイニングルームには誰かが立っていて。
クリスは「きゃあ」と女の子のような悲鳴をあげてしまった。
背の高い男だと思った。
白い仮面を身に着けているので断定は出来ないが、恐らく男だ。
仮面をつけた男も不思議な格好をしている。
全身黒い服で、腕の部分がダボダボだ。腰回りを白いロープのようなもので結っている。
「こいつらが選ばし者?」
男が言うと、老婆は「そうらしいね」と頷いた。
「背の低いほう、おまえの名前は?」
「えっ」
急に老婆に質問されて、クリストファーは慌てる。
「えと…、何番だっけ」
クリストファーはクリスのほうを見てくるが、クリスは首を傾げる。
学校生活では本名を明かさず、番号で呼ばれるという説明があった。
老婆はじっとクリストファーを見た後、
「番号じゃなくて、呼び名でいいさ」
と言った。
「えと…サクラです」
少し恥ずかし気に言ったクリストファーに対して、仮面の男が「おお」と声を漏らした。
「良い名前だ」
老婆は言った。
「次に背の高いほう。名前は?」
「えっ・・・、僕は」
呼び名を考えていなかった。
たらたらと冷や汗が出るのをクリスは感じた。
クリストファー…改めサクラはこっちを見てにっこりと笑ったのを見て、
「ぼ、僕はクリスです」
と大声で言ったのであった。
老婆は全身黒い服を着ている。だが、その服装はこの国で見たことのないような形をした服だった。腕の部分はぶかぶかで、腰辺りに布をぐるりと巻き付けている。
白髪に黒っぽい瞳をした老婆は、ライオンに近づいて行く。
ライオンは老婆を見ると、唸るのをやめてその場でしゃがみ込む。
「この子は顔見知りじゃないと、食べるから気をつけたほうがいい」
「…食べるって?」
クリストファーが尋ねると、老婆はにっと不敵に笑った。
老婆に案内されて中へ入る。
クリスは随分と殺風景な家だなと思った。
家具が極端になかった。
ダイニングルームには誰かが立っていて。
クリスは「きゃあ」と女の子のような悲鳴をあげてしまった。
背の高い男だと思った。
白い仮面を身に着けているので断定は出来ないが、恐らく男だ。
仮面をつけた男も不思議な格好をしている。
全身黒い服で、腕の部分がダボダボだ。腰回りを白いロープのようなもので結っている。
「こいつらが選ばし者?」
男が言うと、老婆は「そうらしいね」と頷いた。
「背の低いほう、おまえの名前は?」
「えっ」
急に老婆に質問されて、クリストファーは慌てる。
「えと…、何番だっけ」
クリストファーはクリスのほうを見てくるが、クリスは首を傾げる。
学校生活では本名を明かさず、番号で呼ばれるという説明があった。
老婆はじっとクリストファーを見た後、
「番号じゃなくて、呼び名でいいさ」
と言った。
「えと…サクラです」
少し恥ずかし気に言ったクリストファーに対して、仮面の男が「おお」と声を漏らした。
「良い名前だ」
老婆は言った。
「次に背の高いほう。名前は?」
「えっ・・・、僕は」
呼び名を考えていなかった。
たらたらと冷や汗が出るのをクリスは感じた。
クリストファー…改めサクラはこっちを見てにっこりと笑ったのを見て、
「ぼ、僕はクリスです」
と大声で言ったのであった。