「俺の過去?」
「はい。前にクリスさんは、サクラと幼なじみで貴族出身だっておっしゃってましたよね?」
 クリスさんの顔を見つめる。
 相変わらず綺麗な顔立ちだった。
 髪の毛は伸ばしているのか襟元まで伸びている。
 ストレートの綺麗な茶色い髪の毛に。
 大きな目。
 迷いのないまっすぐな目。

「俺の過去か・・・」
 クリスさんは呟くと、
「渚と比べるとたいしたことないよ?」
「この機会だから教えてください。クリスさんのこと」

 聴くチャンスは今しかない。
 そう思った。