クリスさんの肩を借りて、ゆっくりと進んだ。
 海岸から10分ほど歩いたところに小屋はあった。
 見た目はボロいなと思ったが、中に入って見ると案外綺麗に整頓されていた。
 まるで、ついこの間まで誰かが住んでいたのだろうかと思わせるような感じだ。
 小さな暖炉があって、円形のテーブルに小さな椅子。
 端っこには薪が積んである。

 その場にしゃがみ込む。
 立っているのもしんどかった。
「少し休んでろ」
 蘭が私に向かって言うと、
「おいっ、掃除するぞ」
 と言い出したので。
 …島にまで来て、掃除するのかと心の中で突っ込んだ。