カレン・スペンサー。
これが私の本名。
私が住んでいるティルレット王国で、身分の高い者は、あだ名で呼ばれ本名は公に出回ることがない。
という訳で、言わずとも私は身分が低いので「カレン」とフツーに呼ばれていた。
私の家は元々、貴族で伯爵としての爵位があったはずなのに。
父の代で完全に没落した。
父と母が馬鹿みたいに家のお金を使い果たしたせいである。
4つ年上の兄であるアズマは、そんなイカれた両親を目の当たりにして進学を諦め、働くことになった。
兄のお陰で何とか、我がスペンサー家は没落しながらも生活はできていた。
しかし、兄が仕事中に意識不明の重体となり、その後。病院を抜け出して行方不明になった。
ろくに働かずに豪遊していた両親にとって、兄だけが頼りだった。
兄がいなくなり、次に両親が目を向けたのは私だった。
左目下から顎に向けて緑色の痣がある私は、人から隔離されて生きてきた。
こんな見た目の自分でさえ、私利私欲の為に、両親は私をお嫁に出したのである。
嫁ぎ先は、遠縁であるスペンサー家。
スペンサー家の一人息子、蘭と私は結婚したのである。
あれが、今から2年前。
蘭の家は伯爵だし、超絶金持ちだった為、両親は大喜び。
私の結婚と引き換えに、蘭は私の両親に賃金を渡していたそうだけど。
両親の住む実家は火事になって、両親は2人とも行方不明になった。
兄が行方不明になり、両親が行方不明になり。
そして、夫である蘭と別れを告げて。
私が今、居るのは・・・
「おいっ、クララ。何、ぼーとしてんだ」
ぼーと窓の外を眺めていると。
興味深そうに私の顔をのぞき込む、一人の男の子がいた。
「…考え事していただけよ」
私は、目の前にある皿を重ねた。
あの屋敷を出てから。
私は、名前を変えて、辺境付近の児童養護施設にいるのだ。
これが私の本名。
私が住んでいるティルレット王国で、身分の高い者は、あだ名で呼ばれ本名は公に出回ることがない。
という訳で、言わずとも私は身分が低いので「カレン」とフツーに呼ばれていた。
私の家は元々、貴族で伯爵としての爵位があったはずなのに。
父の代で完全に没落した。
父と母が馬鹿みたいに家のお金を使い果たしたせいである。
4つ年上の兄であるアズマは、そんなイカれた両親を目の当たりにして進学を諦め、働くことになった。
兄のお陰で何とか、我がスペンサー家は没落しながらも生活はできていた。
しかし、兄が仕事中に意識不明の重体となり、その後。病院を抜け出して行方不明になった。
ろくに働かずに豪遊していた両親にとって、兄だけが頼りだった。
兄がいなくなり、次に両親が目を向けたのは私だった。
左目下から顎に向けて緑色の痣がある私は、人から隔離されて生きてきた。
こんな見た目の自分でさえ、私利私欲の為に、両親は私をお嫁に出したのである。
嫁ぎ先は、遠縁であるスペンサー家。
スペンサー家の一人息子、蘭と私は結婚したのである。
あれが、今から2年前。
蘭の家は伯爵だし、超絶金持ちだった為、両親は大喜び。
私の結婚と引き換えに、蘭は私の両親に賃金を渡していたそうだけど。
両親の住む実家は火事になって、両親は2人とも行方不明になった。
兄が行方不明になり、両親が行方不明になり。
そして、夫である蘭と別れを告げて。
私が今、居るのは・・・
「おいっ、クララ。何、ぼーとしてんだ」
ぼーと窓の外を眺めていると。
興味深そうに私の顔をのぞき込む、一人の男の子がいた。
「…考え事していただけよ」
私は、目の前にある皿を重ねた。
あの屋敷を出てから。
私は、名前を変えて、辺境付近の児童養護施設にいるのだ。