「一年後にまた会おう」

 そう言ってアイツは、とびっきりの笑顔を向けて。
 別れた。
 出会った頃と比べると、随分とアイツの印象は変わったんだと思う。

 言われるがまま、あの屋敷でのメンバーは全員離散して。
 あれから、一年が経過した。
 ふと、思い出そうとしても。
 私は、夫の顔をはっきりと思い出せなくなっていた。