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お花畑に立っている。
ああ、また夢の中にいるかと悟る。
さっきまで、どうしようもないくらい具合が悪くて頭が割れそうなくらい痛かったのに。
こんなに穏やかで安らぐ気持ちになれるなんて・・・
足元の色とりどりの花。
甘くてうっとりとする香り。
ここから、すべてが始まったんだね。
「カレン、僕はいつまでも貴女を見守っているから。この国が滅ぶまでずっと。忘れないで、一人じゃないんだから」
隣に立っていたお兄様が言った。
「私に蘭の奥さんは務まるのかなあ?」
お兄様に質問すると、お兄様はふふっと微笑んだ。
「務まるとかそんなことよりも、蘭のことを愛しているかどうかだと思うよ」
「愛するって…」
お兄様の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったので、一気に恥ずかしくなる。
「お互いの気持ちが強ければ、カレンは大丈夫だよ。それに、王子様のところへ嫁いだからと言って驚くことなんて一つもない。そもそも、貴女は神様の生まれ変わりなんだから」
「本当に?」
疑うようにお兄様を見ると。
お兄様の姿がどんどんとぼやけてくる。
待って、まだ話したいことが沢山あるのに…
「おいっ、カレン。大丈夫か?」
頬をパンパンっと叩かれて。
ゆっくりと目を開けると碧い目が視界に入った。
「あれ…生きてる?」
周りを見回すと、花畑に寝かされていた。
「神殿にいたんじゃ…」
「気づいたら、ここで気絶してたんだよ」
頬にペンキのような白い塗料が付いた蘭の顔が間近にある。
思わず「うぉぉ」と飛び跳ねる。
前を向くと、
さっきまで居たはずの神殿がぺっしゃんこになって元の形がなくなっていた。
「神殿・・・壊れたの?」
呆然と見つめていると、「カレン、大丈夫?」という声が降ってきた。
見上げると、見覚えのあるような男の人が立っている。
「どちら様で…?」
その男の人に手を引っ張ってもらって立ち上がった。
「アハハ。そのセリフはシュロが言うセリフなのにね!」
…じっと男の人を見て、
「えっ!?」
絶叫するしかなかった。
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お花畑に立っている。
ああ、また夢の中にいるかと悟る。
さっきまで、どうしようもないくらい具合が悪くて頭が割れそうなくらい痛かったのに。
こんなに穏やかで安らぐ気持ちになれるなんて・・・
足元の色とりどりの花。
甘くてうっとりとする香り。
ここから、すべてが始まったんだね。
「カレン、僕はいつまでも貴女を見守っているから。この国が滅ぶまでずっと。忘れないで、一人じゃないんだから」
隣に立っていたお兄様が言った。
「私に蘭の奥さんは務まるのかなあ?」
お兄様に質問すると、お兄様はふふっと微笑んだ。
「務まるとかそんなことよりも、蘭のことを愛しているかどうかだと思うよ」
「愛するって…」
お兄様の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったので、一気に恥ずかしくなる。
「お互いの気持ちが強ければ、カレンは大丈夫だよ。それに、王子様のところへ嫁いだからと言って驚くことなんて一つもない。そもそも、貴女は神様の生まれ変わりなんだから」
「本当に?」
疑うようにお兄様を見ると。
お兄様の姿がどんどんとぼやけてくる。
待って、まだ話したいことが沢山あるのに…
「おいっ、カレン。大丈夫か?」
頬をパンパンっと叩かれて。
ゆっくりと目を開けると碧い目が視界に入った。
「あれ…生きてる?」
周りを見回すと、花畑に寝かされていた。
「神殿にいたんじゃ…」
「気づいたら、ここで気絶してたんだよ」
頬にペンキのような白い塗料が付いた蘭の顔が間近にある。
思わず「うぉぉ」と飛び跳ねる。
前を向くと、
さっきまで居たはずの神殿がぺっしゃんこになって元の形がなくなっていた。
「神殿・・・壊れたの?」
呆然と見つめていると、「カレン、大丈夫?」という声が降ってきた。
見上げると、見覚えのあるような男の人が立っている。
「どちら様で…?」
その男の人に手を引っ張ってもらって立ち上がった。
「アハハ。そのセリフはシュロが言うセリフなのにね!」
…じっと男の人を見て、
「えっ!?」
絶叫するしかなかった。