「確認しておくが、ライトって男はそんなに貧乏なのか?」
「いんや、父と母が結構、支払ってるほうだと思う。俺も、可能な限りは治療費は払わせてもらってる」
「ライトとはいつからの付き合いだ?」
「いつから? うーん。スペンサー家に来てすぐからかなあ」
 ローズの質問に対して、蘭は丁寧に答えていく。
 ローズはそうか…と頭の中でグルグルと考えた。

「じゃあ、行くか」
「え、ローズも付き合ってくれるのか?」
 急に嬉しそうな顔をする蘭を見ると、ローズは正直な奴だなあと感じた。

 屋敷に突入すると、サクラは泣き腫らした目で椅子に座っていた。
 ライトはローズと蘭に向かって何か言ってきたが、うるさいと感じたローズはすぐに睡眠弾を投げつけた。
 戦場で使い慣れているので、ローズは口元を抑えるだけで平気だったが、そういえば蘭は大丈夫なのかと今更になって蘭を見ると、平然と立っていたので、呪いって凄いなとローズは感心した。
 ローズはわずかに聞こえるカレンの声を頼りに地下への通路を探りあてて、蘭と共に地下へと降りた。煙を吸って気絶しているカレンをローズは軽々とお姫様抱っこする。
 ローズが抱きかかえているのを複雑な気持ちで見ていた蘭は言い放った。


「…第二王子に身代金用意される奴がどこにいるんだ」