妃は、泣きわめき、憤慨し、臣下たちに国王と関係のある女性、その子供をすべて殺すように命じた。疑わしい人間は全て殺すように怒鳴り命令したのだった。
妃はローズと手を繋いで、
国王の前で言い放った。
「この子を、国王にすると約束してください」
悪魔に憑りつかれたような、恐ろしい妃を見て、国王は声が出なかった。
妃は変わってしまった。
殺人鬼の顔になってしまっていた。
国王が黙り込むと、妃は懐から短剣を取り出して国王に向けて剣を振り下ろそうとする。
「ローズを国王にしないのであれば、私はあなたを殺します」
命の危険を感じたソテツは、剣で妃の胸を突いた。
目の前で、母親が殺される光景を見ていたローズは。
「お母様、お母様」と泣き叫んだ。
ソテツが黙って妃の亡骸を眺めていると。
「お見事!」という若い男の声が聞こえてくる。
横を向くと、見知らぬ若い男が立っている。
白いスーツを着た男だった。
「…何者だ?」
ソテツが男に向かって剣を突きつける。
「嫌だなあ。国王様。昔、会ってるでしょうが」
男がにっこりと微笑むと、妃のほうを眺めた。
「お妃さまの願いを叶えにきましたよ」
ソテツは、じっと男を見つめた。
珍しい紫色の瞳を眺めるうちに、幼少期の記憶を思い起こした。
男は、泣きじゃくるローズの前に立った。
「君は、次期国王になる。君の身体から一つ大切なものを奪うからね」
ソテツは辞めろと叫んだ。
だが、叫んだところでどうしようもなかった。
王族として生き残っているのは、ローズだけなのだ。
幼い頃、あの男は女神の使いだと言って城を出入りしていた。
50年以上の月日が流れているというのに男の容姿は全く変わっていない。
辞めろ。
辞めろ。
辞めろ・・・
妃はローズと手を繋いで、
国王の前で言い放った。
「この子を、国王にすると約束してください」
悪魔に憑りつかれたような、恐ろしい妃を見て、国王は声が出なかった。
妃は変わってしまった。
殺人鬼の顔になってしまっていた。
国王が黙り込むと、妃は懐から短剣を取り出して国王に向けて剣を振り下ろそうとする。
「ローズを国王にしないのであれば、私はあなたを殺します」
命の危険を感じたソテツは、剣で妃の胸を突いた。
目の前で、母親が殺される光景を見ていたローズは。
「お母様、お母様」と泣き叫んだ。
ソテツが黙って妃の亡骸を眺めていると。
「お見事!」という若い男の声が聞こえてくる。
横を向くと、見知らぬ若い男が立っている。
白いスーツを着た男だった。
「…何者だ?」
ソテツが男に向かって剣を突きつける。
「嫌だなあ。国王様。昔、会ってるでしょうが」
男がにっこりと微笑むと、妃のほうを眺めた。
「お妃さまの願いを叶えにきましたよ」
ソテツは、じっと男を見つめた。
珍しい紫色の瞳を眺めるうちに、幼少期の記憶を思い起こした。
男は、泣きじゃくるローズの前に立った。
「君は、次期国王になる。君の身体から一つ大切なものを奪うからね」
ソテツは辞めろと叫んだ。
だが、叫んだところでどうしようもなかった。
王族として生き残っているのは、ローズだけなのだ。
幼い頃、あの男は女神の使いだと言って城を出入りしていた。
50年以上の月日が流れているというのに男の容姿は全く変わっていない。
辞めろ。
辞めろ。
辞めろ・・・