洞窟を抜けると、一面には花畑が広がっていた。
色とりどりの花が先まで続いて。
遠くに白い建物があった。
恐らくその建物が神殿なのだろう。
今まで暗闇の中にいたので、眩しいと思いながらも。
目の前に広がる美しい景色に「わぁ」と声を漏らす。
空は真っ青で、
その下は、色とりどりの花。
今までの冒険の疲れが報われるような…
見ていると泣きたくなるような世界観だ。
サクラはクリスさんと手を繋いで、キャーキャーと走り回り。
渚くんは「わーい」としゃがんで花を眺める。
シュロさんは、荷物を置いて、「よいしょ」と花畑の上に寝っ転がった。
残された私と蘭は黙って目の前を見つめている。
「やっと到着した」
蘭が急に喋りだすのでビクッと身体を震わせて「そうだね」と頷いた。
花の甘ったるい匂いと一面の美しさは、まるで別世界。
夢のようなところだね…と言おうとして。
はっ…と気づく。
この光景を見たことがある。
「私、ここに来たことがある」
「…俺も、ここを知っている気がする」
蘭の顔を見た。
8歳だった少女が。
もうすぐ18歳を迎える青年になっている。
誰もが振り返るであろう美しい顔立ちをした蘭の顔を見て。
泣きそうになった。
「あのな、カレン…」
蘭が口を開いたときだった。
「ぎゃっ」
サクラが急に悲鳴を上げた。
同時に、ゴロゴロドカーンという物凄い音が空に鳴り響く。
空が光った。
何度もゴロゴロと言いながら、ピカッと光る。
さっきまで晴天だったのに。
空は雲に覆われて。
雨が降りだそうな天気になった。
「あ、あれ…」
サクラが神殿のほうを指さした。
無数の白っぽい塊がぼこぼことこっちへ向かってくる。
目を細めて見たが、最初はそれらが何なのかわからなかった。
「最後の最後でおいでなさった」
蘭がため息をついたと思うと、
手には剣を持っている。
「流石、神殿だね」
クリスさんの手にも、皆の手にもいつのまにか長剣が握られている。
「どっから、出したの、その剣?」
驚く間もなく神殿からやってくる得体の知れない者がどんどんこっちに近づいてくる。
肉眼ではっきりと、そいつらがタロットカードに出てくる死神そっくりの姿をしている者だということがわかって、ぎゃーと声を漏らす。
黒いフード付きケープに大きな鎌を持つその手は骨。
顔は頭蓋骨。
そんな死神らしき人物が何百もいて、こっちへと向かってくる。
「あいつら、何? 何で、こっち来るの?」
パニックになって蘭に質問するけど。
蘭は私の質問を無視する。
「カレン、怖いだろうけど。俺たちが守るから」
幼い顔でカッコイイことを言う渚くんだけど。
私はそれどころではなかった。
「ねえ、逃げようよ」
「逃げたら、ここへ来た意味なんてない」
蘭の一言に。
ああ、こんな冒険なんて一緒に行くんじゃなかったと心から自分を呪った。
色とりどりの花が先まで続いて。
遠くに白い建物があった。
恐らくその建物が神殿なのだろう。
今まで暗闇の中にいたので、眩しいと思いながらも。
目の前に広がる美しい景色に「わぁ」と声を漏らす。
空は真っ青で、
その下は、色とりどりの花。
今までの冒険の疲れが報われるような…
見ていると泣きたくなるような世界観だ。
サクラはクリスさんと手を繋いで、キャーキャーと走り回り。
渚くんは「わーい」としゃがんで花を眺める。
シュロさんは、荷物を置いて、「よいしょ」と花畑の上に寝っ転がった。
残された私と蘭は黙って目の前を見つめている。
「やっと到着した」
蘭が急に喋りだすのでビクッと身体を震わせて「そうだね」と頷いた。
花の甘ったるい匂いと一面の美しさは、まるで別世界。
夢のようなところだね…と言おうとして。
はっ…と気づく。
この光景を見たことがある。
「私、ここに来たことがある」
「…俺も、ここを知っている気がする」
蘭の顔を見た。
8歳だった少女が。
もうすぐ18歳を迎える青年になっている。
誰もが振り返るであろう美しい顔立ちをした蘭の顔を見て。
泣きそうになった。
「あのな、カレン…」
蘭が口を開いたときだった。
「ぎゃっ」
サクラが急に悲鳴を上げた。
同時に、ゴロゴロドカーンという物凄い音が空に鳴り響く。
空が光った。
何度もゴロゴロと言いながら、ピカッと光る。
さっきまで晴天だったのに。
空は雲に覆われて。
雨が降りだそうな天気になった。
「あ、あれ…」
サクラが神殿のほうを指さした。
無数の白っぽい塊がぼこぼことこっちへ向かってくる。
目を細めて見たが、最初はそれらが何なのかわからなかった。
「最後の最後でおいでなさった」
蘭がため息をついたと思うと、
手には剣を持っている。
「流石、神殿だね」
クリスさんの手にも、皆の手にもいつのまにか長剣が握られている。
「どっから、出したの、その剣?」
驚く間もなく神殿からやってくる得体の知れない者がどんどんこっちに近づいてくる。
肉眼ではっきりと、そいつらがタロットカードに出てくる死神そっくりの姿をしている者だということがわかって、ぎゃーと声を漏らす。
黒いフード付きケープに大きな鎌を持つその手は骨。
顔は頭蓋骨。
そんな死神らしき人物が何百もいて、こっちへと向かってくる。
「あいつら、何? 何で、こっち来るの?」
パニックになって蘭に質問するけど。
蘭は私の質問を無視する。
「カレン、怖いだろうけど。俺たちが守るから」
幼い顔でカッコイイことを言う渚くんだけど。
私はそれどころではなかった。
「ねえ、逃げようよ」
「逃げたら、ここへ来た意味なんてない」
蘭の一言に。
ああ、こんな冒険なんて一緒に行くんじゃなかったと心から自分を呪った。