「何だよ、テメー」

 急に取り押さえていた男がサクラの身体から離れた。
 バタンと人間の倒れる音がする。
 何が起きたのかわからず、ゆっくりと目を開けると。
 同級生たちの前に一人の少年がいることに気づいた。
「うるさい」
 ぞっとするような冷たい声だった。
 見た目ですぐに誰かがわかる。
 金髪に青い目。
 見た目とは裏腹に世界最強と呼ばれる男。

 ためらいもなく、彼は剣で男達を次々と刺した。
 バタッ、バタッ、バタッ。
 全員倒れると。
 ローズはサクラを見た。
「今、助けが来るから、そこで待ってろ。こいつらは俺が処分するから」
 そう言うと、ローズは歩いて行ってしまう。

 何が起きたのか理解が出来なかった。
「おいっ、サクラー。サクラー」
 遠くからクリスの声が聞こえる。

 その日を境にサクラの心は壊れ、
 学校に通えなくなった。