倒れているシュロを発見したのは、クリスだった。
診療所に連れていかれ、シュロは3日ほど意識が戻らなかった。
目を覚ますと、真っ先に目に入ったのは、蘭だった。
「おいっ、シュロ。大丈夫か!」
蘭は力強くシュロの肩をぶんぶんと揺さぶった。
その反動でシュロは割れるような痛みを頭に感じた。
「おやめください。蘭様、シュロ様は病人なのですから」
蘭を止めたのはアズマだ。
シュロはゆっくりと辺りを見回した。
病室で寝かされている。
さっきまで森の中にいたはずなのに。
「俺、何で…」
「森の中で倒れてるのを、クリスが見つけたんだぞ。それから医者のところまで連れて行って、おまえ3日間も意識が戻らなかったんだぞ! おいっ」
と、掛布団をばしっと蘭が叩いた。
頭には包帯が巻かれている。
シュロは頭をおさえる。
記憶が混乱していた。
「…俺以外に、誰かいなかったか?」
シュロが質問すると、蘭とアズマは顔を見合わせて一瞬だけ不安げな表情を浮かべた。
「今はゆっくり休め!」
蘭の顔を見ていて、シュロはローズのことを聞いてみたくなったが。
ローズとこっそりと会っていることは秘密だったので。
何も言えなかった。
森の中で、3年生4人の遺体が見つかった。
剣で切り殺されたとされる死体は犯人を突き止められることもなく、極秘で処分された。
蘭は、すぐにローズが犯人だと確信した。
きっとローズが人を刺し殺しているところをシュロは目撃してしまい、
口封じにシュロの頭を殴ったのではないかと考えた。
シュロを殴ったのが自分の兄かと思うと、
悲しくて、
でも憎むことが出来なかった。
それまで。
蘭の頭に不協和音が鳴り響いていたのが、
ぴたっと止まった。
シュロが、どうして選ばれし者なのかわからなかった。
自分を含め、選ばれし者は既に呪いを受けているが。
シュロだけは呪いを受けていなかった。
もしかしたら、既に呪いにかかっているのかもしれないとも考えたが。
蘭は、わかってしまった。
診療所に連れていかれ、シュロは3日ほど意識が戻らなかった。
目を覚ますと、真っ先に目に入ったのは、蘭だった。
「おいっ、シュロ。大丈夫か!」
蘭は力強くシュロの肩をぶんぶんと揺さぶった。
その反動でシュロは割れるような痛みを頭に感じた。
「おやめください。蘭様、シュロ様は病人なのですから」
蘭を止めたのはアズマだ。
シュロはゆっくりと辺りを見回した。
病室で寝かされている。
さっきまで森の中にいたはずなのに。
「俺、何で…」
「森の中で倒れてるのを、クリスが見つけたんだぞ。それから医者のところまで連れて行って、おまえ3日間も意識が戻らなかったんだぞ! おいっ」
と、掛布団をばしっと蘭が叩いた。
頭には包帯が巻かれている。
シュロは頭をおさえる。
記憶が混乱していた。
「…俺以外に、誰かいなかったか?」
シュロが質問すると、蘭とアズマは顔を見合わせて一瞬だけ不安げな表情を浮かべた。
「今はゆっくり休め!」
蘭の顔を見ていて、シュロはローズのことを聞いてみたくなったが。
ローズとこっそりと会っていることは秘密だったので。
何も言えなかった。
森の中で、3年生4人の遺体が見つかった。
剣で切り殺されたとされる死体は犯人を突き止められることもなく、極秘で処分された。
蘭は、すぐにローズが犯人だと確信した。
きっとローズが人を刺し殺しているところをシュロは目撃してしまい、
口封じにシュロの頭を殴ったのではないかと考えた。
シュロを殴ったのが自分の兄かと思うと、
悲しくて、
でも憎むことが出来なかった。
それまで。
蘭の頭に不協和音が鳴り響いていたのが、
ぴたっと止まった。
シュロが、どうして選ばれし者なのかわからなかった。
自分を含め、選ばれし者は既に呪いを受けているが。
シュロだけは呪いを受けていなかった。
もしかしたら、既に呪いにかかっているのかもしれないとも考えたが。
蘭は、わかってしまった。