昼食時、食べるものに関して細かく注文してくる生徒の何人かはいるけれども。
口に合わないと言ってくる奴はいなかった。
海外の食べ物事情について詳しく知らなかったので、一番忙しい時間帯を切り抜けた後。
シュロは料理長に隣国の料理事情について聞いてみた。
「スカジオン王国? 俺も詳しくは知らねえが味覚に関してはそんなに変わらないんじゃねえか」
「そうなんすか?」
「気になるなら、とことん調べろ。学生なんだから」
「…調べろと言われましても」
シュロは落胆した。
どう調べていいのかわからなかったからだ。
後で、クリスにでも相談しようと思った。
仕事を終えて、家に戻り。
いつものように森の中へ入って木刀を持って素振りをしていると。
「おいっ」と誰かに声をかけられた。
後ろを向くと、制服を着た少年が立っている。
金髪の少年だった。
「あ、天使さん」
シュロは思わず顔がにやける。
「誰が天使だ」
「だって、天使だろ?」
シュロが笑うと、少年は目を細めてシュロを見た。
「ここで、何をしている?」
「何って、自主練に決まってるじゃないか」
シュロが木刀を見せると、少年は「ふうん」と興味なさそうに言った。
「腕の怪我は大丈夫なのか?」
シュロが言うと、少年はビクッと一瞬だけ身体を震わせて腕をおさえた。
「やっぱり天使だから回復が違うんだなあ」
一人で勝手に感心してシュロは笑った。
「おまえ、変わってんなあ」
少年が言った言葉にシュロは答えなかった。
「俺は、シュロ。君は天使くん?」
勝手に自己紹介を始めたので、少年は「教えない」と冷たく言った。
「なんで? 天使はやっぱり天使としか名前がないのか」
「…絶対に笑うだろうから、教えない」
笑うとはどういうことだろう?
まあいいやとシュロは思って素振りを始める。
「何故、こんなところで一人、自主練をしている?」
「そりゃ、授業に出られないからに決まってるだろ」
シュロは素振りを続けたが、「あ、そうだ」と手を止める。
「なあ、天使くん。巷で君は世界最強説が出ているんだけど、本当?」
「…ちまたってどこだよ」
シュロは、そこらへんと言って指で宙に円を描いた。
「なあ、俺に稽古をつけてくれないか?」
口に合わないと言ってくる奴はいなかった。
海外の食べ物事情について詳しく知らなかったので、一番忙しい時間帯を切り抜けた後。
シュロは料理長に隣国の料理事情について聞いてみた。
「スカジオン王国? 俺も詳しくは知らねえが味覚に関してはそんなに変わらないんじゃねえか」
「そうなんすか?」
「気になるなら、とことん調べろ。学生なんだから」
「…調べろと言われましても」
シュロは落胆した。
どう調べていいのかわからなかったからだ。
後で、クリスにでも相談しようと思った。
仕事を終えて、家に戻り。
いつものように森の中へ入って木刀を持って素振りをしていると。
「おいっ」と誰かに声をかけられた。
後ろを向くと、制服を着た少年が立っている。
金髪の少年だった。
「あ、天使さん」
シュロは思わず顔がにやける。
「誰が天使だ」
「だって、天使だろ?」
シュロが笑うと、少年は目を細めてシュロを見た。
「ここで、何をしている?」
「何って、自主練に決まってるじゃないか」
シュロが木刀を見せると、少年は「ふうん」と興味なさそうに言った。
「腕の怪我は大丈夫なのか?」
シュロが言うと、少年はビクッと一瞬だけ身体を震わせて腕をおさえた。
「やっぱり天使だから回復が違うんだなあ」
一人で勝手に感心してシュロは笑った。
「おまえ、変わってんなあ」
少年が言った言葉にシュロは答えなかった。
「俺は、シュロ。君は天使くん?」
勝手に自己紹介を始めたので、少年は「教えない」と冷たく言った。
「なんで? 天使はやっぱり天使としか名前がないのか」
「…絶対に笑うだろうから、教えない」
笑うとはどういうことだろう?
まあいいやとシュロは思って素振りを始める。
「何故、こんなところで一人、自主練をしている?」
「そりゃ、授業に出られないからに決まってるだろ」
シュロは素振りを続けたが、「あ、そうだ」と手を止める。
「なあ、天使くん。巷で君は世界最強説が出ているんだけど、本当?」
「…ちまたってどこだよ」
シュロは、そこらへんと言って指で宙に円を描いた。
「なあ、俺に稽古をつけてくれないか?」