「んーまぁね。銀星の幼馴染ってことで色々巻き込まれちゃうことあるから」

 困り笑顔で遥華は話しを続けた。

「だからさ、さっきも見た瞬間ピンと来たの」

 裏門にいるはずのないあたしがいたこと。
 明らかに怪しい三人の男達。

 それに、と遥華は香梨奈さんを指差した。

「その子たち。仲良さげに腕を組んでるけど彼女すごく不機嫌そうだったし、美来の友達は怯えてたし。これは人質にでも取られてるなって思って」

「……正解、凄いね」

 本気で驚いた。

 慣れているからっていうのもあるんだろうけれど、頭の回転も良いんだと思う。


「はっ、でも結局捕まっていたら意味ないわよね?」

 嘲笑いながらそう言った香梨奈さんは、しのぶを突き飛ばすように押した。

「きゃあっ⁉」
「しのぶ⁉」

 とっさに受け止めると、しのぶにそのままギュッと抱き着かれる。

「ごめん、美来。あたしが人質にならなかったら、こんなことには……」

 しのぶは声も身体も小刻みに震えていた。

「そんな、しのぶは悪くないよ。むしろ巻き込んじゃってごめん」

 しのぶは全く悪くないのに……むしろあたしのせいで巻き込まれて怖い思いをしてる。

 謝るのはあたしの方だ。