いや、ダメだからね? というツッコミは今は色んな意味で出来る状況じゃない。
とにかく、遥華まで巻き込むわけにはいかない。
一瞬何とかして助けを呼んでもらおうかとも考えたけれど、危ない橋は渡れない。
橋場はシーツで顔が見えなくてもピリピリしている様子が分かるし、香梨奈さんは見て分かるくらいイライラしている。
特に香梨奈さんは少しでも刺激するとしのぶを傷つけるのをためらわないだろうから……。
だから、遥華のことは巻き込まないようにするしかない。
それに、ここで遥華を巻き込まずに済めば誰かにあたしをここで見かけたことを伝えてくれるかも知れないから。
「……ダメだよ、部外者が校内に入っちゃあ。あとごめんね、今ちょっと急いでるんだ」
さっき調理部の後輩にしたようなへまをしないよう表情に気を付ける。
笑顔は浮かべられなかったけれど、規則を破ろうとした遥華を叱っている様にも見えるから多分大丈夫だろう。
「え? そうなの? でもさぁ、やっぱりちょっと見るくらいはしたいんだけど……」
不満そうに唇を尖らせた遥華は「そうだ!」と声を上げてしのぶの方に近付いた。
とにかく、遥華まで巻き込むわけにはいかない。
一瞬何とかして助けを呼んでもらおうかとも考えたけれど、危ない橋は渡れない。
橋場はシーツで顔が見えなくてもピリピリしている様子が分かるし、香梨奈さんは見て分かるくらいイライラしている。
特に香梨奈さんは少しでも刺激するとしのぶを傷つけるのをためらわないだろうから……。
だから、遥華のことは巻き込まないようにするしかない。
それに、ここで遥華を巻き込まずに済めば誰かにあたしをここで見かけたことを伝えてくれるかも知れないから。
「……ダメだよ、部外者が校内に入っちゃあ。あとごめんね、今ちょっと急いでるんだ」
さっき調理部の後輩にしたようなへまをしないよう表情に気を付ける。
笑顔は浮かべられなかったけれど、規則を破ろうとした遥華を叱っている様にも見えるから多分大丈夫だろう。
「え? そうなの? でもさぁ、やっぱりちょっと見るくらいはしたいんだけど……」
不満そうに唇を尖らせた遥華は「そうだ!」と声を上げてしのぶの方に近付いた。