すみれ先輩は眼鏡を取った時点でいつものように「きゅわわわん」と抱きついて来たけれど、みんなの反応はどうなんだろう?

 髪は解いていないし、倒れたりする人はいないよね?

 なんて、最近の宮根先輩などを思い出しながらドアを開けた。


「あ、美来さ――」

 一番初めに気付いた女の先輩があたしの姿を見て固まる。

 ん? どうしたのかな?

 対応に困ってあたしも固まると、彼女は目の前に来てなぜかひざまずいた。

「え?」

「ああ! 天使が舞い降りた!」

「……はい?」

 ひざまずいた先輩はそのまま両手を組んであたしに祈りを捧げている。

 いや、そんなことされても困りますから!


「ん? なんだ?」

 先輩の叫びで他の人達もあたしに気付き始める。