結果はこの毒物は複合物で、東と西にある毒性の強い植物同士の掛け合いで作った新しい毒物であることが判明した。

「よく、この毒が新しいって分かったな」

団長さんが鑑定を終えて言うと、私はちょっと肩を竦めて言った。

「こればっかりは、私は妖精が味方についてるからねとしか言えないわ」

私の言葉に団長さんは納得して頷いて言った。

「そうだな、ユウ様は精霊王の愛し子様だものな。望めば直ぐに、そばにいるちいさな隣人たちが教えてくれる」


現団長さんは会話こそ出来ないものの、私の周りでは珍しくちいさな隣人が見える人なのだ。



そうして鑑定を終えた結果を聞くと、ベイルさんは言った。

「この毒は、東と西が手を結んだ証拠と言うわけですね?」

その表情は緊迫した空気を纏って、私たちに問いかけた。

「えぇ、そうです。そしてその実行犯も、もうすぐここに来ますので、魔法で捕縛しますね」

私の返事に二人がギョッとした時には、この部屋にバーンと突っ込んで来た女官さんが驚きの表情で固まっている。

私は直ぐに、そんな彼女に魔法を使った。

「捕縛」


すると、どこからともなく現れたロープによって彼女は縛り上げられて、その隙に可愛いちいさな隣人たちが暗器を取り上げてしまった。

ものの五秒とかからぬうちの出来事に、捕縛された方もその様子を見ていた魔術団長とベイルさんもポカーンとしている。