とってもいい笑顔でベイルさんに言われて、何故かちょっと背筋がゾクッとしたので私は急いでブンブンと首を縦に振って頷いて返事をした。
「あんなことをする相手もいませんし、そうそう今日みたいな場面にはなりませんから!」
私の返事に満足そうにした後は雰囲気が柔らかくなったのでホッとしたものの、ベイルさんはやっぱり切れ者なので逆らうまいと思ったのだった。
翌日、ベイルさんが言った通りに淡いブルーのドレスが届いた。
そのドレスはふんわりと裾の広がるもので、胸元から足先かけて色が濃くなっていくグラデーションが綺麗なドレスだった。
試着すれば、サイズもピッタリでとっても綺麗なラインのドレスに鏡で見てすっかり気に入ってしまった。
「むむ、悔しいけどベイルおじ様はとってもユウ姉様のことを分かってるドレスを送ってきたわね」
私の試着が済んだ頃に来たジェシカちゃんは、私のドレス姿を見てそう言った。
「サイズは多分聞いたんだろうけれど、この色やデザイン素材感まで私の好みに合うドレスが届くとは思わなくって、びっくりしたよ」
私も笑って言うとジェシカちゃんはあぁ、ってちょっと頭を抱えてその後に聞いてきた。
「ユウ姉様は、ベイルおじ様のこと好きなのね?」
その問いかけに、私はビックリしてちょっと固まって返事が遅れた。
「え? 好きって、そりゃあ、人としては尊敬出来るし、好きだけど?」
つい深く考えたくないからか、私の返答は切れ切れとすっとぼけた方向になったが、そんな私にため息を一つ零したジェシカちゃんが、子どもらしからぬ大人な表情で聞いてきた。