制服を確認したその日から一週間。

ミレイド家では、私の学園生活のために貴族令嬢の嗜み、基本姿勢、挨拶などをレイモンドさんとフェミリアさんに叩き込まれた。

この二人、似ているなと思ったら、なんとご夫婦だった。

似た者夫婦だったのだ。

そんな夫婦の娘、シャロンさんが私の専属メイドさんである。

二人の娘な彼女も、笑顔でダメ出しするタイプのスパルタ教育型だった。

そんな三人のおかげで、一週間という短期間で瞬く間に一般人が貴族令嬢に化けた。

助かったけど、人生でこんなに勉強する事はあるだろうか? ってほどに頑張ったので誰か褒めて欲しい……。

この王立学園には貴族の子息令嬢が通うだけあり、なんと一人使用人を連れての登校が可とされている。

つまり、私にとってはありがたいフォロー要員アリの学園生活である。

「ユウお嬢様。そろそろ着きます。まずは教員室へ行くと担任が教室へと連れて行ってくれますからね」

ニコッと微笑んでの、説明にニコッと笑みを返して返事をする。

「了解よ! さ、貴族のお嬢様やってやりましょうとも」

こうして国王陛下の采配により、この国に早く馴染めるようにという考えからの王立学園へと一歩を踏み出した。

王立学園とは、名の通り国が運営している学校なのだが、生徒に貴族は多いが、一応一般にも門戸は開かれており、商家の子ども達なども来ていたりする。

学科は騎士科、魔法科、文官科、一般科にメイド科とあり、貴族の令嬢や令息であれば一般科で教養や領地運営についてを学ぶらしい。

その中でも文官や騎士、魔法が強いタイプは各々の学科に進むのだとか。

それぞれ、それ相応の適性がないと通えないので、一般科以外は結構少数精鋭で各学年に一クラスなのだという。

そんな私は魔法科一択であった。