そんな感じで、私の衣装部屋は現在三人のメイドさんが箱から丁寧に取り出しては、きちんと区画分けされているらしく、綺麗に靴、帽子、宝飾品、下着、ドレスに普段着のデイドレスと分けられていく。
実にテキパキと手際良く作業をしてくメイドさん達の様子をちょっと思わず惚けて眺めてしまったら、足元にちょこんとした感触がする。
下を向くとニコッと天使の笑顔のアラル君がいるし、その後ろにはジェシカちゃんが居た。
「ゆーちゃ、チーチがご飯よって!」
チーチとはクリストフさんのことかな?と検討をつける。
「クリストフさんがご飯だって呼んでるのね? じゃあ連れてってくれる?」
しゃがんで目線を合わせると、アラル君は嬉しそうに腕を広げてきたので抱っこする。
「まぁ、アラルはすっかりユウに懐いてるわね」
一緒に少し作業を見ていたマリアさんは、私と抱っこされたアラル君を見て楽しそうに笑った。
「ユウ姉様、こっちだよ!」
ジェシカちゃんに手を引かれてやってきたのは、漫画とかアニメで見たようなお金持ちのお家のザ・食堂って感じの長いテーブルの置かれた部屋。
「このテーブル、こんな大きさ必要?!」
実際に目にすると、大きくてこんなに使うのかって思うんだけど、そんな私の言葉に背後から返事があった。
「ここはご家族用ではなく、来賓もお招きする時用のダイニングですので広うございます」
振り返ると、これまた執事さんで間違いないですねって感じの初老の男性が立っていた。