「そうだったの! それならこの広さはビックリするのも理解出来たわ。まぁ、慣れてちょうだい」
ニッコリ言われて、私は頷いたのだった。
そうして部屋を見ているうちに、ミレイド家のメイドさん達がなにやらたくさんの大小様々な箱を持って、衣装部屋に入っていく。
いったい、なにを運んでいるのやら。つい目線で追っていると、ミレイド家のメイド頭だというフェミリアさんがマリアさんに言った。
「奥様と旦那様のお選びになった物とジェシカ様のお選びの品、さらに国王夫妻からもお品が届いておりますので、我々でしまわせていただきますね」
ニコッと会話しているが、なにか恐ろしいことを聞いた気がする。
「これって、もしや……?」
私の言葉を聞いて、フェミリアさんがニッコリ笑って言った。
「全て、ユウお嬢様の服や靴やお下着、ドレスにお帽子や宝飾品などでございますわ」
そう言われて見ると、箱の数がちょっと倒れたくなるほど多いんですけど……、見なかったことにしていいでしょうか?
「あ、あとベイル様からも届いておりますわ。後ほど色々確認して、各所にお礼状をしたためましょうね?」
フェミリアさんは、ガッツリお母さんな雰囲気の人でテキパキと指示を出しつつ、的確に自身も仕事をこなしている。