「マリアさん。もっとこじんまりした部屋はないですか?」

思わず尋ねると、マリアさんがキョトンとして言った。

「貴族のご令嬢なら、この位はまだ狭いほうよ? カントリーハウスなら、もう一部屋付いて浴室なんかもあっての一人部屋よ?」

そうなのか、これが通常規格なのか。

貴族のお嬢様ってすごいね。この広さ、私は持て余しちゃうよ……。

「これが普通なんですね……」

思わず苦笑いだ。

「ちなみに、ユウは元の世界ではどんな部屋だったの?」

私の驚きっぷりに、マリアさんは逆に私の世界での基準が気になるようだったので、私はサラッと説明する。

「私の元の世界での部屋は、衣装部屋一つ分ですよ」

そう言うと、まぁ驚かれた。