唐突に、いきなり魔法ときたよ!
私の世界には、物語の中にしか魔法は存在しないんですけど? 私が目を丸くして驚いてアリーンの発言についてこれてないことに、いち早く気づいたのはサリーンだ。
「ユウ。もしかして、ユウの世界には魔法がないの?」
キョトンと小首を傾げつつ聞いてきたサリーンに頷いて肯定すると、アリーンは水色の瞳を大きく見開いて、驚きと共に言った。
「魔法がないなんて、ユウの世界はとても不便な世界だったの?」
そう言って驚くアリーンに私は自分の世界だった日本を思い浮かべつつ答えた。
「魔法はないけど、科学が発展していたから。不便はなかったんだよ」
どうやら、フューラは魔法ありきの世界であるらしく、科学はあまり発展していないみたいだ。
「ここではみんな、大なり小なり魔法が使えるの。ユウも使えるから、簡単なものからやってみましょう」
こうして、私の異世界ライフは一緒に過ごす妖精との魔法訓練から始まることになった。