そんなこんなで、荘厳という言葉が相応しい感じの王宮内を移動して、天井までの大きな扉の前にたどり着いた。

どうやら謁見の間らしい。

こんな重そうな扉開くの大変だろうなと思っていれば、扉の前に待機していた騎士さんがすんなりと開けてくれた。

あまりにもすんなりだから、もしかして軽いの? と思ったけれど、閉まる時の音を聞いたら重そうな音がしたので見た目通り、きっと重い扉だろう。

ここの騎士さんたち、パワー自慢が多いのかもしれない……。

騎士団長が、このムキムキだしね。

つい、横目にチラ見すると気づいたクリストフさんが大丈夫だと言わんばかりに優しく微笑んだ。

うん、顔は整ってるからいい笑顔は眩しいよ!!

私の好みのタイプではないけれど、美形ってそれだけでそれだけで眩しいよね! と一人ここでも美形について考えてしまったのだった。

開かれた謁見の間。

入ってすぐの真正面には、階段があり、その上に玉座に座った国王様とその隣にお后様が居た。

その両脇には、王子様と思われる青年と、王女であろう、可憐な美少女が居た。

王様と王子は柔和な顔をしているが、視線は鋭い。

一国を治めるものの強さがその視線からちらっと見えた気がした。

宰相さんに案内されて、階の手前にクリストフさんとマリアさんに挟まれて、立ち止まり、急ごしらえで教えられた淑女の礼をとった。

これ、結構大変。

ふんわりスカート部分を膨らませているドレスなら足元もごまかしが効くだろうけれど、いま着ているドレスでは失敗が出来ない。

しかし、私はこの世界に来たばかりの異世界人。

多少の失敗には目をつぶってくれるとありがたいな。