「もちろん構いません。うちのマリアとジェシカも一緒に見せてやってください。ユウ様はミレイド家の養女となって、私が後見にあたりますので」
その団長の言葉にピクっと宰相さんが反応したけれど、特に言葉はなかった。
仮眠室となる、執務室の隣の部屋は簡易ベッドとクローゼットに申し訳程度の洗面台がある、こじんまりとした部屋だった。
この位の部屋の広さが落ち着くなと思っているうちに、優秀な女官さん達は私の服を一気に脱がせ始めて着替えが始まった。
「もう、なるようになーれ」
まな板の上の鯉状態になったが、そんな私をよそにマリアさんが女官さん達に声をかける。
「うちのユウには黒より、白い方が映えないかしら? 髪も目も黒なのよ? それを際立たせるには黒より白ではないかしら?」
そのマリアさんの発言に、女官長さんも一つ頷くと女官さん達に言った。
「もう一つ用意していた白のドレスを! ベルトに黒と金の糸を持ってきましょう」
実に素早く謁見用の衣装が決定していくなり、着付けが始まった。
ドレスはストンとした真っ直ぐでシンプルなドレスだった。
生地はかなり滑らかなので、絹だと思う。
とっても、お金の掛かったドレスだと思う。
ただ、昔のヨーロッパ風な建物だけれどドレスはシンプルで良かった。
ガッチガチにコルセットで締めますって感じだったら、生きていける気がしないもの……。
そんな考えに耽っているうちに、ドレスの着替えは終わって椅子に座っているうちに髪が綺麗にアップに結われて、花が差されて飾られた。