王都に到着すると、まず騎士団詰所に入り団長の執務室へと案内される。

すると扉を開いた先から飛び出してきたのは、綺麗な赤い髪にエメラルドグリーンの瞳の美人さん。

その美人さんは迷うことなく団長に向かっていき、思いっきりむこうずねに蹴りを入れていた。

見ているしか出来ないが、この美女さん強いわ……。

両手を広げて油断してた団長は、声にならない声を上げてしゃがみこんでいる。

「まったく、黒の乙女様が現れたおかげで助かったものの。私を未亡人にするとこだった落とし前は、これで許してあげましょう」

言う前に足が出てます……。

とっても快活で、男前美人な姉御がそこにはいました。

私、こういう美人さん大好きだ!

つい目をキラキラさせて眺めていると、美人さんが気づいて声をかけてくれました。

「黒の乙女の前で失礼致しました。この、筋肉バカの妻で騎士団の事務官のマリア・アルバ・ミレイドです」

上品な仕草なのにニコっと笑うと可愛らしくもなる、とっても素敵な美人さんに私もニコッと笑って答えた。

「三島優羽です。ここではみんなユウって呼んでくれますので、マリアさんもユウって呼んで下さい! 今の蹴り、最高でした!」


「あら、ユウちゃん良く見てたわね」


「はい! あの、油断し切ったところにむこうずねは、流石としか言えません!」


変なところで意気投合する私とマリアさんにため息を着いてベイルさんが突っ込んだ。