私の言葉が何を意味するかは分からないままに、この部屋で話を聞いたみんなは想像すると頷き、副団長さんが言った。

「もしも、そんなことが可能ならば……。敵はその事態に陥れば、恐れから前線を離れることでしょう」

クイっとモノクルを合わせて、副団長さんが言ってくれたので、私は、こう提案した。

「それじゃあ、いっちょ雷落として、お相手にはアビエダにお帰りいただきましょう!」

私の発言に、この部屋の騎士さん達は二度目のポカーン顔に陥ったのだった。

私、そんなに変なこと言ったかな? お互いに傷つかず、穏便な撤退方法だと思うんだけどな。

私、そんなにおかしいこと言ったかな? なかなかなにが変なのか、この国の常識とか、考えが分からないからいかんとも判断しづらい。


そこに団長はそれは、嘘だろう? と言う顔をして聞いてきた。

「さすがに、それは出来ないだろう?」

「まぁ、ちょっと見てて?」

 私はそう言うと、自分の指先に帯電するイメージをすれば、それは直ぐに顕現し、私の指先には青白くビチバチ光る電気が小さく発生して、私は手近な金属にそれを向けると、ビチッと音を立てて走って落ちた。

その様子を見た騎士さん達も、団長と副団長も一気に顔色を変えた。

「ユウ様、これを大規模に出来ると言うことですか?」

「ここで小さく出来たから、多分出来ると思う。やったことは無いけれど。今ので感覚掴めたから、問題ないと思う」

実にあっけらかんとした私の様子と、今目の前で起きた出来事に、騎士さん達は顔色をちょっと青ざめつつも確信を得たらしい。

これなら、アビエダを前線から撤退させることができるだろうと……。