うん、私は百五十三センチと小柄だし、子どもに間違われるのは、自分の世界でもしょっちゅうだった。
なので、そう言われてもあまり気にしない。 だが、抱っこは恥ずかしいので、ご勘弁願いたいな……。
「さすがに、この歳で抱っこは無いでしょ? 下ろしてください!」
私の言葉に頷いて、団長さんは下ろしてくれた。
「ま、こんな感じのユウだからな。なんかあったら抱えて逃げてやるから、なんも心配するな」
団長さんには、何となく分かっていたのかな。
私が、この戦場にわりと動揺していたこと。
ここで私がなにかしても大丈夫なのかと、心配だったこと。
組織的なもののトップに立つ人物なのだ。
どれだけ、豪快であっても人を見る目はあるのだろう。
私は、ここの人達は信頼出来る、そう思えた。
そこで、私はひとつ閃いたので聞いてみることにした。
「みなさん、ここでは雷って鳴ったり、落ちたりしますか?」
雷の単語にはて? 不思議そうな顔になっている騎士の面々の中で、
「雷って、イカヅチのことか?」
そう聞いてくれた団長さんの言葉に頷く。
「それって、頻繁に起きますか? それとも珍しいですか?」
「珍しいし、晴れてるこの時期にはそうそうお目にかからん」
周りも、頷いている。
そこで私は、周りを見つつ言った。
「じゃあ、もし今雷が急に落ちたら、敵は脅威に感じますか?」