「ユウ様。自然に漂う魔力とは、どういったものかお分かりですか?」
うーん、ここでは非常識なのかな? それとも新発見レベル? 周りの魔力強い人達でも見えないのかな? 疑問に思いつつも、私は私に見える事を伝える事にした。
「最初の村から移動する間も、あちこちから魔力を感じたの。よくよく見れば、魔力は木々や草花や岩、小動物達からも自然に漂ってるから」
みんな驚いた顔のままで、耳だけしっかり聞いてる感じなので、そのまま続けた。
「白い霧みたいに私には見えるんだけれど、みんなには見えないものなの?」
私の問いには、いち早く状態が回復した団長さんが答えてくれた。
「騎士団にいる連中は、大抵魔力も強い。騎士は魔法剣士だと思った方がいい。そういう連中でも魔力が可視化されたとは聞かない。俺も魔力を感じることは出来ても、見ることは出来ない」
その言葉で、私の感覚がかなり特殊で突出していることを自覚した。
「ユウ。俺達は周囲に魔力があることを知っていても、それを利用するって発想は無かった。これはかなり、魔法の発展に繋がるぞ」
いうなり、わしゃわしゃと髪を撫でられて、力の加減から少々よろける。
髪もちょっと乱れたので、気にせず手ぐしで整えたら、ちょっと団長が手伝ってくれた。
その手は大きくってゴツゴツしてるのに、髪を直す時は繊細な動きをしたのが、ちょっと意外だった。