一つ頷くと、ケジャさんは手元に鳥を招いて手紙を括り付けるとその鳥を飛ばした。
「これは魔法の鳥さ。明日にはここにユウが現れたことが伝わり、二日位で迎えが来るだろう」
説明を受けて、私はこの村で数日過ごすために、ケジャさんに着いて回って働くことにした。
「そんな気を使わんでも、いいんだがねぇ」
畑についてきた私に、ケジャさんがちょっと呆れたように言うものの、それには首を横に振って答えた。
「数日とはいえお世話になるんだもの。私の世界の言葉に、働かざるもの食うべからずってあるしね!」
私の言葉を聞くと、ケジャさんは少し目を見開いた後に、カッカと笑って言った。
「確かに、そういう言葉はこの国にもあるのう。ユウはしっかり者のいい子じゃな」
私の言葉に納得してくれたあとは、私はケジャさんの畑仕事を手伝い、洗濯やらもお手伝いして、お料理をする頃には辺りは夕焼けに包まれた。
「ここは静かでのどかだね。なんか落ち着く……」
「まぁ、この婆とボドムしかおらんからねぇ。静かだろうねぇ」
会話をしつつもお豆のスープ、お豆を挽いて粉にしたものをお水で解いて薄焼きにした生地とそこにハムと卵とお野菜を包んだ料理で夕飯だ。