「この村は、いつか来る乙女を迎えるために出来た村だった。しかし、そう訪れない乙女を待てないと、いつしかこの辺境には婆と木こりが生業の、このボトムくらいしか居らんようになったのさ」


ここは国の中でもかなり外れで、この不可侵の森が国境なのだとか。

森はどこの国から見ても不可侵で、フューラのど真ん中に位置しているとか。

そして、ここは大陸南に位置するイベルダという国らしい。

ここから出て少し西に行くと西の国との国境があり、その砦には国の騎士達が詰めているらしい。


「とりあえず、乙女の出現は国一の魔術師達は把握していると思うが。見つけたら国に報告せねば。お嬢さん、名前はなんて言うんだい?」


その問いに、私は答えた。


「私の名前は三島優羽。妖精達はユウって呼んでるわ」


それに頷くと、おばあさんは言った。


「私はこの村の村長のケジャだよ。騎士のお迎えが来るまでは、不便だろうがここでお過ごし」


おばあさんは優しく微笑むと、そう言ってくれた。


「はい。お世話になります」