なるほど、光が見えるからいると思うんだ。それだと、姿が見えるのはかなり珍しいってことかな。

ちょっと考えつつ、黙っているとおばあさんは私を見て言った。

「黒髪、黒目の乙女が森から現れし時。国に起こる困難は、乙女により解決されたし」


ん?おばあさんの言葉にコテっと首を傾げると、おばあさんは言った。


「この村に伝わる言い伝えだよ。不可侵の精霊の森から黒髪、黒目の乙女が現れたらその時の国に起きる困難はその人物によって解決される」

「そんな言い伝えがあるんですか?」

私が驚いて尋ねれば、頷きつつおばあさんが言った。


「そうさ。それだって、私の曽祖父から小さい頃に聞いた話だよ? 半信半疑だったさね。お嬢ちゃんが目の前に現れるまではね」


ため息混じりに呟きつつ、おばあさんはさらに言葉を重ねていく。