「でも、私が魔法使えた方が都合はいいんでしょう? だったら良いじゃない?」


サラッと言う私に、アリーンは頷きつつも言った。


「そうだけどね。あまりにも飲み込みが早くって驚くわ!」


そうは言われても、感覚で使っててそれが意外にもスルッと使えちゃうから違和感もないんだよね。

こればっかりは、私だってどうなってるか疑問はあるんだけれど、深く考えてもこの世界を知ってる訳じゃないから。

日本と違って、フューラってかなり独特な世界だと思うし。

ここに馴染んできたなら、それで良いんじゃないかな……。

だって、帰れないんだしね……。


「さ、今日はこの森を抜けよう! 人に会わないことには、なにも進まない気がするから」


そんな私の言葉に二人も同意して、歩き始めることにした。


「そうね、行きましょう。一番近い集落は小さめの村よ。こっち!」


アリーンとサリーンの案内で、私は森を歩き始めた。