「みんな、ありがとう。どうなるかなんて分からないけれど、私。自分の気持ちに正直でいていいのかな?」
私の言葉に、マリアさんがキュッと肩を掴んで言った。
「もちろんよ。私もクリストフも、ユウの幸せを願ってるわ。あなたの気持ちを大事になさい」
肩に乗せられた手に手を重ねて、返事をした。
「ありがとう、ママ。私、頑張ってみるね」
ニコッと微笑んで言った私に、マリアさんがうるっと瞳を潤ませて言った。
「えぇ、私達は母娘ですもの。それは変わらないわ」
「うん、ママ。ありがとう」
ぎゅっと抱きついて、私はマリアさんから背中を押してもらってベイルさんが迎えに来たとの知らせを受けて、玄関ホールに向かった。
「姉様!私の姉様は、世界一可愛いのよ、だから自信を持ってね!」
最後の最後は、可愛い妹の声援を受けて階段を降りていった。
玄関先では、ベイルさんとクリストフさんが話していた。
「お待たせして、すみません」
私が声をかけて振り向いてくれた二人は、はっと息を飲んだあと、ベイルさんは微笑んで言った。