あまりの綺麗さに、私はまず着るのも忘れてドレスに見入ってしまった。

すると、ドアをノックする音がして返事をするとマリアさんとジェシカちゃんが顔を出す。

その後ろから、美容に強いメイドさん軍団を引き連れたシャロンさんが入ってきたのだった。

「さぁ、ユウ様。今日は本気を出させていただきますよ」

シャロンさんの高らかな宣言から、私は逃れることも無いまま、一気にあれこれと施されてぐったりする前に仕上げられた私は、鏡に映る自分を二度見してしまった。

鏡に映るのは、淡い桜色のドレスを纏った普段とはガラッと変わった、大人に見える私の姿だった。

「これ、私?」

思わず呟く私に、シャロンさん、マリアさん、ジェシカちゃんがニッコリ笑って言った。

「間違いなくユウよ!あなたは綺麗できちんと大人の女性よ。だから自信を持って。どこから見ても素敵なレディーよ」

「ユウ姉様は綺麗なのよ。だから自分に自信を持って。姉様はカワイイ系の美人さんなのよ!」

「これは、私たちメイドからのささやかなものです」

そう言って、シャロンさんはアップにされた私の髪に可憐な白い花を挿して飾った。

「我らの可愛いお嬢様。どうか自らの幸せから逃げないで、その手で掴んでくださいまし」

私を一番近くで支えてくれたシャロンさんの一言に、不覚にも潤んだ瞳から涙が零れそうになったが綺麗なメイクが崩れてしまうと、グッと我慢した。