メルバの返答に、一応の頷きを返したあとでクリストフさんが言った。
「しかし、この作戦だとユウは最前線に出ることになる。それは、俺は反対だぞ!」
クリストフさんお言葉にはベイルさんも頷き言った。
「私も、同じく反対です。なぜ、そんな矢面で切り込む位置にあなたが行くんです? 後方からでも十分でしょう!」
そんな二人に私はメルバと顔を見合わせて言った。
「だって、癒し姫で黒の乙女と聖獣の組み合わせだよ? 目の前に来られたら、勝てないって思うものでしょう? だから出るんだよ」
私の言葉に、その通りだから言い返せない、でも認めたくない。
そんな表情の二人に、私は笑って行った。
「ねぇ、私がなんの為にここに来たかわかってるよね? 私はね、この国で、ここに住む人々が安心して暮らせるようにするために来たの」
私の言葉に、二人は私を見て次の言葉を待つ。
「私は妖精と精霊にも住みやすいこの国が大切だと思えるの。ここが私のこれから暮らす国だから、守りたいの。その力があるから、使うだけなんだよ」
私の言葉に、揺るぎない意志に、二人はため息をついて言った。
「メルバ、最前線に行く際には、私も一緒に騎乗させてください。出来ますね?」
そう言ったのはベイルさんだった。
悔しそうだが、今回クリストフさんはベイルさんに譲った形だ。
「なぜ? 乗せねばならぬ? 」
それに、ベイルさんは真剣な表情で答えてくれた。
「もしものための保険と考えてください。私は、ホントの最前線にユウ様を一人で行かせたくないんです」